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Flexispot E7とマルトクショップで注文したウォールナット天板を、鬼目ナットを使って組み上げた話

幅が広いデスク & 自動昇降のデスクが欲しかったので、Flexispot E7と天板を買って組み上げた話です。

デスクを作る際に、何を考え、どう判断して最終的に組み上げることができたのかを紹介していきます。

出来たもの

まずはじめに、自分が組み上げたデスクは次の写真の通りです。 天板の裏に自分で下穴を掘り、鬼目ナットを埋め、脱着可能にしています。

ウォールナット天板(集成材)とFlexispot E7

1. Flexispot E7(電動昇降デスクの脚部分)の購入まで

私はFlexispot E7を買いましたが、それを買うに至るまでの経緯・検討事項は以下の通りです。

1-1. そもそも昇降可能なデスクは要るのか?

昇降可能なデスク、ただカッコいいから欲しくなっているだけなのでは?と自問自答しました。これは半分Yesで、半分Noです。

フルリモート勤務でのWebアプリケーションエンジニアという仕事柄、ずっと座りっぱなしで仕事をしていました。 座りっぱなしで仕事をしていても、ちょっと肩がこる・・・ぐらいの程度だったので、座りっぱなしでの仕事は別に支障ありませんでした。

しかし、とある頃から下腹部に不快感が生じ、その後すぐに下腹部が痛くなり始めたのです。 でも痔でもない痛みで、主観としてはおそらく非細菌性の前立腺炎と思われる症状が出てしまいました。

medical.jiji.com

応急対処として、ニトリ前立腺をなかなか刺激しないような穴あきクッションを買ってきました。

www.nitori-net.jp

これのおかげか?症状は徐々に和らいでいったので一安心しましたが、ずっと座りっぱなしの根本原因が変わらない限りはまた再発するだろうと考え、立ったり座ったりして仕事ができる昇降式のデスクが欲しくなったという次第です。

これが昇降式のデスクが欲しい理由の半分で、残り半分はなんかカッケーから欲しい!というものです。ロマンです。

1-2. 昇降式のデスクは何を選択すべきか?

さて、昇降式のデスクをどれにしよう・・・。

自分の要求仕様は主に以下の4つでした。

  1. 座った状態・立った状態で快適に仕事ができること
  2. 座った状態から立った状態への遷移、またはその逆の遷移が容易であること
  3. 信頼性がある商品であること
  4. 見た目の美しさとして、前後で対称なデザインになっていること

まず、「座った状態・立った状態で快適に仕事ができること」、こちらは必ず実現できなければいけない仕様です。 高さの調整範囲が広いデスクであれば自分に合った高さに随時調整できるはずなので、それなりに低い高さからそれなりに高い高さまで変更できるデスクが適しているだろう、と考えました。

次に、「 座った状態から立った状態への遷移、またはその逆の遷移が容易であること 」、こちらの要求仕様について考えていると、電動式で、しかもメモリー記憶が可能な商品が自分には合っている、となりました。

3つ目に、「信頼性がある商品であること 」ですが、各種レビューや評判を見て、信頼と実績のある商品にしたいと思いました。

最後に、「見た目の美しさとして、前後で対称なデザインになっていること 」ですが、これは単なる自分の好みです。

以上、上記4つの仕様から色々見てみたところ、Flexispotを天板の脚として選ぶのが良さそう、ということになりました。

そうして自分が選んだのは、以下のFlexispit E7です。

他に↓のFlexispot E8も次点の候補としてありましたが、こちらは脚の部分が円柱状で、あまり好みではなかったので自分はE7を選びました。

1-3. Flexispot E7の天板はどうする?

次に、天板をどうしよう?という検討です。

Flexispot E7は天板セットの商品もありますが、天板なしでE7単体でも売っています。

まず、自分が求めているサイズはどれくらいのサイズであるのか把握してみることにしました。 適当なダンボールを切って、好みのサイズはどれくらいかな〜ってのをダンボールの切れ端を置いて表現してみました。

やってみたところ、幅180cmは欲しいな〜という感じでした。

幅は180cmですぐ決まりましたが、奥行きはどれくらいがいいのか結構迷いました。最低奥行き60cmはあっても良さそうというのはダンボールを置いた時点でわかりましたが、じゃあ60cmがいいのか、65cmがいいのか、はたまた70cmや80cmがいいのか。。。 ここはすぐには決められませんでした。。

ですが、幅180cmはマストだったので、まずこの線で商品を絞ったところ、Flexispot E7のセット品の幅は最大でも160cmしかなかったので、自分で天板を手に入れなければいけないということがわかりました。

したがって、Flexispot E7は単体で買い、天板は自分で手に入れる、というところまでは確定しました。

(なお、ちょうどその頃、Amazon PrimeDayが開催され、Flexispot E7が定価15,000円引きだったので早速購入しました)

(本当は天板をじっくり検討し、定まってからFlexispot E7の注文を入れたかったのですが。。。)

2. Flexispot E7(電動昇降デスクの脚部分)に載せる天板の購入まで

脚が定まったら、次は天板を決めます。

2-1. 天板はどうやって手に入れる?

先述の通り、天板はセット品ではなく自分で独自に手に入れなければいけない・・・ということになったので、次に天板の検討に入りました。

色々と考えた結果、自分が天板に求めるのは次のような仕様でした。

  • 見ていて飽きない天板であること
  • 高級感のあるダーク系の天板であること
  • 柔らかすぎない木材であること

いろんな木材を知っているわけではなかったので、自分が愛用しているダイニングテーブル(ウォールナット材, 無垢板)にデスクの天板の素材を揃えることに決め、ウォールナット材の天板を探すことにしました。

これは、単にウォールナットの質感が好きだったのでウォールナットに決めた・・・という形ではありますが、それでもパイン材などの柔らかすぎる素材はNOTで弾いていました。ウォールナットはそこに問題がなかったので選択することができた次第です。

硬さに関しては、次のマルトクショップさんの硬さ・価格のチャート図等参考にしていました。

shop.woodworks-marutoku.com

とりあえずウォールナットが良いな〜という状態でホームセンターに行って色々と見てみました。

が、ホームセンターでちょっと試しに木材を持ってみたら重いこと重いこと。。。とても運ぶことが出来なさそうでした。また、柔らかい系の木材しか陳列されておらず、ウォールナットに至ってはまったくありませんでした。。。

このような理由から、天板はネットで調達することにしました。

2-2. ウォールナットの幅180cmの天板をどこで買う?

次に、ウォールナットの天板の調達先を探しました。

色々みてみたところ、候補として次の2つに絞られました。

  • IKEAのキッチンワークトップである「KARLBY カールビー」を手配する
  • マルトクショップでオーダーカットで注文する

前者については、次の商品です。186cm * 65cm * 3.8cmで、割と求めるサイズにドンピシャの既製品です。

www.ikea.com

お手頃価格なので良い・・・!のですが、オンラインストアでは売り切れ、リアル店舗でも滅多に入荷しない代物のようです。。

自分で運びたくはなかった & いつオンラインストアで入荷するのか読めない・・・ということから、これは諦めることにしました。

といことで、後者の「マルトクショップでオーダーカットで注文する」に決めました。

いろんな木材をフリーカット(オーダーサイズ)で加工して買うことができるショップです。

2-3. マルトクショップでウォールナット材をどんな設定で注文する?

さて、マルトクショップでウォールナット材を注文するところまで来ました。

ウォールナット材といっても、集成材(長さ20~25cm * 幅3~4cmの小さな木材を組み合わせたもの)や、無垢材(一枚板の大きな板を1枚、もしくは数枚つなげたもの)によって値段も変わってきます。

マルトクショップのウォールナット材の作例を見て、ウォールナット(集成材) にすることにしました。

ウォールナット(集成材)の注文ページは次の通りです。

shop.woodworks-marutoku.com

オーダーフォームでは、長さ・幅(奥行き)・高さだけでなく、面取り(辺の仕上げ)やコーナー加工(高さ方向の辺の加工)や塗装についても入力しないといけないようです。

  • 長さ

長さは180cmにしました。理由は先述の通り、ダンボールで再現したところ良さげなサイズだったためです。

  • 幅(奥行き)

幅(奥行き)は60cmにしました。

理由の一つとして価格です。上記のマルトクショップのオーダー設定で、60cmまでの価格と61cm以上の価格で一つ段差がありました。(61cm以上だと結構値上がりします)

おそらく、60cmまでは一つの集成材の規格サイズ内だが、61cm以上になると2つの集成材を繋げる工程が必要になるからでしょう。。

それほど奥行きサイズにこだわりが無かったことや、日本の賃貸マンションの間口が60cmであれば横向きでも通過できることを考え、奥行きは60cmにしました。

  • 厚さ

厚さは3cmで一旦決めました。これは、鬼目ナットという木材に埋め込めるナットを天板に埋め込みたく(脱着を容易にするため)、そのために3cmの厚さが欲しかったからです。

(一旦決めたというのは、すぐに天板を注文した訳ではないからです。詳細は後述。)

検討した鬼目ナットは、ムラコシ精工のEタイプでM4 × 10(ナットのネジの幅が4mmで、鬼目ナットの高さが10mm)の鬼目ナットです。

murakoshishop.com

ムラコシ精工の鬼目ナットには大きく4タイプあり、Aタイプ(ハンマーでの打ち込み式、つば(木材との境目を支えるつばを持つもの)無し)、Bタイプ(ハンマーでの打ち込み式、つば有り)、Dタイプ(ねじ込み式、つば有り)、Eタイプ(ねじ込み式、つば無し)が存在しています。 Flexispotと天板の接合部はピッタリくっつけたかった & ツバ部分が収まるようにするだけの加工が面倒だったので、Eタイプで検討しました。 (なお、検討時同様、最終的にはEタイプを使って施工しました)

Flexispotに付属するネジのうち、天板とFlexispotを固定するネジは、直径約4.2cm、長さ約1.9cmのネジでした。 また、Flexispotから天板に向かってネジを打ち込む部分の穴の直径は約6mmちょっとで、Flexispotの穴に嵌っている脱着式のゴム材(ワッシャーの代わりであり、ガタツキを抑えるためのゴムでしょう)の穴の直径は約4.2mmとちょっとでした。

次の画像のうち、「E」のネジがFlexispotと天板を接合するネジ(直径約4.2cm、長さ約1.9cmのネジ)で、これを使わずネジの代わりにボルトを別途手配する必要があるということです。

Flexispot E7に付属するネジ群

脱着式のゴム材はそのまま使いたく(=脱着式のゴム材の穴の部分に、木ネジの代わりとなるボルトがそのまま入るサイズにしたい)、それでいて鬼目ナットを埋め込むための下穴を掘っても天板を貫通したり強度が弱くなる厚みにはしたくなく、また、下穴を掘って鬼目ナットを埋め込んだときにFlexispotを合わせて穴の位置ずれのリスクは抑えたい・・・という要望を満たすためには、M4のネジであることが必須となりました。

M4のネジで、先述のEタイプの鬼目ナットの場合、ムラコシ精工ではM4 × 10の鬼目ナットしかなかったため、これにすることにしました。

鬼目ナットの高さは10mmといえども、鬼目ナットを埋め込むためには更に1〜2mmの深さは必要になるため、M4 × 10の鬼目ナットを埋め込むためには12mm〜13mmの深さを掘らなければいけません

この深さで問題ない天板の厚みとするために、私は天板の厚みに3cmの厚さを選びました(2cm程度の天板だと、マージンが7〜8mm程度しか確保できず不安だったので)。

  • 面取り(辺の仕上げ)

面取り(辺の仕上げ)は、「上下R面(3R) + 磨き」 にしました。5Rでもいいかなと思いつつ、天板らしさの象徴として、力強い感じも欲しかったので、3Rにすることにしました。

  • コーナー加工

コーナー加工の発注は入れないことにしました。これは面取り同様、天板らしさが欲しかったためです。もし机の周囲を移動することが多いのであれば、怪我防止として丸みをつけてもいいかなと思いましたが、自分の場合は今の段階では不要だったので、コーナー加工はつけないことにしました。

  • 塗装

塗装は、ウレタン塗装や自然塗料での塗装と、クリアor色付きの計4パターンをベースに選べるのですが、私の場合はウォールナット材の質感や肌触りを大事にしたかったので、「自然塗料クリアー 裏捨て塗り」(裏面も塗られるが、あくまで木材の反り防止のためだけの裏面は簡易な塗装のようです) で発注することにしました。

2-4. 発注しようとしている天板を加工してFlexispotに取付することがミスなくできるのか?懸念点の洗い出しはできたのか?

こちらが最大の山場であり、段取りの中で一番念入りに検討しないといけないステップです。

これは「天板に下穴を適度な深さで掘って、その下穴を鬼目ナットが埋めることができるサイズまで広げて、そこに鬼目ナットを埋め込んで、適した長さのボルトを使ってFlexispot付属の脱着式のゴム材を通してガタつくことなく固定することができるのか?」ということを検証しないといけないということです。

ここまで偉そうに色々書いていますが、実はこれまで木工のDIYなんてほとんどしたことがなく、小学とか中学時代の木工の作業でしか経験したことがありませんでした。。

そのため、一発勝負でウォールナットに穴を掘ることはしたくなく、必然的に必要な道具の検討を行い、しかもその使い方に慣れ、それなりに精度高く穴を開けられるようになれる必要が出てきました。

「ええ〜面倒くさ」と思うか、それとも「よっしゃ、いい経験や」と思うかは人それぞれではありますが、私は幸いにも後者でしたので、割とウキウキで試験フェーズに入ることにしました。

2-5. 天板をFlexispot E7に載せるために必要な工具・部品は何か?練習台の木材も用意しよう。

さて、長々と書いてきましたが、天板を発注する前に、天板に穴を掘るための工具、試験用のウォールナット木材、試験用の鬼目ナット、試験用の鬼目ナット(少量)、鬼目ナットと対で使用するボルトとワッシャーを以下それぞれ揃えました。

天板に穴を掘るための工具

  • ドリルドライバ

私が使ったドリルドライバは、以下の"RYOBI CDD-1020"です。家具組み立て用のドライバとして以前から持っていたものです。

穴あけ能力(どのサイズの直径まで穴を開けられるのかの能力)として、21mm確保されているドリルドライバだったので、そのまま使いました。

ドライバドリル(RYOBI CDD-1020)

今は後継のドリルドライバが出ているようです。

  • 木工用六角軸ドリル

ドリルドライバにつけるためのドリル、"SUN UP 木工・樹脂用 六角軸ドリル 10PC M-3"です。

木工用の適当なものを買いました。 ただ、木工用とはいえ、適切な種類の木工用ドリルを買わないと取り返しがつかなくなるので注意が必要です。 注意するポイントとして、ドリルには「先三角(さきさんかく)」と「先ねじ(さきねじ)」の二種類があり、今回必要なのは前者の「先三角」のドリルです! 先ねじは、その名の通り先端がネジ状になっているので、木材にどんどんドリルが食い込んでいき途中で止めづらく、思った以上に掘っちゃう危険性が高いです。一方先三角は、先端が三角錐のような形状になっているので、想定した地点でドリルを止めやすいです。 今回、そこまで厚みもない天板に精密に穴を掘ることになるので、先三角のネジでトライしましょう。

ムラコシ精工の鬼目ナットEタイプ M4 × 10は、直径6mmの穴を開ける必要があるので、次のドリルセットのうち6mmのものだけ使いました。

SUN UPの木工用六角軸ドリルセット

(2022/10/20 追記) 上のドリルセットはAmazonで販売停止していたので、代わりになりそうなドリルセットを挙げておきます。なお、「竹用のドリルが鋭くて穴を開けやすい」(未検証) という話も聞いたことがあるので、竹用のドリルビットを必要なだけ揃えるのもアリかもしれません。それは置いておいても、木工用の六角軸ドリルであればDIYユースでは大差ないとは思っています。

  • 木工用ドリルの深さを制限するためのドリルストッパー

木工用ドリルで穴を掘りすぎたら天板を貫通してしまうので、目的の高さまでしか掘れないようにするためのドリルストッパーです。 深さ12mm程度の穴を掘りたいため、深さ12mmでストップするように取り付けて使用しました。

先述の通り、ドリルは6mmの穴を掘りたいので、6mmのドリル用のドリルストッパー、"スターエム ドリルストッパー 6mm 5005-060"を買いました。

6mm用ドリルストッパー

  • 下穴を開けるための下穴ドリル

これは先達のFlexispotの天板作業のブログにはあまり出てこないものですが、自分は必要だと思ったので買いました。

マーキングした箇所に下穴を開けるための下穴ドリル、"センター一発" のSサイズです。

センター一発のSサイズは、2.4mmのドリルで、1cmぐらいの深さの穴を開けることができます。 これを使うことで、先述の木工用ドリルを使う際の下穴を綺麗にあけることができます。

もしこれが無ければ、錐などで下穴を丁寧に空けなければいけないかと思いますが、Flexispotには穴の数が多いので持っていると便利だと思います。

下穴開ける用の"センター一発" Sサイズ

上記の下穴ドリルを使うとき、滑って狙ったところに下穴を開けられないのは嫌だったので、センターポンチとハンマーも買いました。 センターポンチは"モクバ印 センターポンチ 10mm×100mm E6100"を、ハンマーは"ポケッティ ネイルハンマー 8オンス" を買いました。

鉛筆でマーキング(墨付け)した円の中心に、センターポンチとハンマーで軽く凹みをつけておいて、そこにセンター一発で下穴を開け、その後ドリルで穴を広げる・・・といった流れになりますね。

慣れている人であれば、センターポンチとハンマーを使う工程は実は不要なのかもしれません。

センターポンチとハンマー

  • 正確な長さ・深さを測るためのノギスと差し金

厚さや幅、深さを測るためにはノギスは必須でした。Flexispotの鉄板の厚みを計測したり、接続部の鉄板の穴の直径を計測したり、空けた穴の深さを計測したりと、ノギスが無いと大変でした。。

ノギスは、"シンワ測定(Shinwa Sokutei) 普及ノギス シルバー M型 150mm 19899" を買いました。

加えて、差し金も用意しました。Flexispotを天板に配置するときに、左右対称・上下中央に配置できるよう、差し金で計測しつつ微調整しながら配置することで、狙った位置に配置することができました。ノギスでも出来ないことはないかもしれませんが、差し金のおかげで直角も見ることができたので良かったです。

差し金は、"シンワ測定(Shinwa Sokutei) 厚手広巾50cm 8段目盛 11481" を買いました。

シンワのノギス

シンワの差し金

試験用のウォールナット木材

マルトクショップで注文する本番用の天板にいきなり穴を開けるわけにもいかないので、小さなサイズの木材で練習することにしました。

Amazonで買った練習用のウォールナット木材

厚み約25mm×幅約59mm×長さ約400mm の小さな木材です。

センターポンチでマーキングをしておかないとドリルの先端が滑ってしまうことを経験できたり、綺麗に穴を開けるためには初速から結構なトルクで穴をあけ始めないといけないことを経験できたりしました。

木材の硬さも、木材によって異なるのでウォールナットの加工性を見るのに買ったのですが、これのおかげで安心して高額な天板に加工ができたので、十分必要経費だと思います。

試験用の鬼目ナット(少量)

穴をちゃんと掘れたとして、本当に鬼目ナットを埋め込むことができるのかも確認したかったので、練習用の木材と共に練習用の鬼目ナットも少量先に買いました。

先述の通り、"鬼目ナットのEタイプ、M4 × 10" を買いました。

ムラコシ精工の鬼目ナットEタイプ、M4 × 10

murakoshishop.com

また、鬼目ナットは手で埋め込むことはできず、六角レンチ(六角棒レンチ)を使って、その先端に差し込みながら回して埋め込みます。 なので六角レンチも用意しました。

"高儀 TAKAGI ボールポイント 六角棒レンチ 9本組" というやつを適当に買いました。

鬼目ナットを埋め込むための六角棒レンチ

鬼目ナットを埋め込んだ後に鬼目ナットを抜くことも基本無い & 緩んでほしくないので、私はボンドで先着することにしました。 ボンドには、コニシの木工用の速乾ボンドを買いました。

木工用速乾ボンド

鬼目ナットと対で使用するボルトとワッシャー

鬼目ナットを埋め込んだ木材に対して、Flexispot側からガタツキなく・隙間なくちゃんと取り付けられるのか?も先に確認しておきたいところです。

そのため、比較的安価なボルトとワッシャーも天板発注前に先に用意して検証しました。

トラスコのM4 × 15のボルトと、M4用のステンレスワッシャー

ボルトは、"TRUSCO(トラスコ) 六角穴付ボルト ステンレス全ネジ M4×15 46本入 B44-0415" です。

M4なのはいいとして、何故15mm?と思うかもしれませんが、これは以下の長さを足すと16mmになり、ゴム材が多少凹むとして15mmで過不足なくフィットすると推測したためです。

  • 鬼目ナットの深さで約10mm
  • Flexispotの天板の厚みで約3mm
  • Flexispotの天板にくっついている脱着式のゴム材の厚みで約2mm
  • ワッシャー分で約1mm

実際使ってみて、15mmでピッタリでした。

ワッシャーはこちら、"TRUSCO(トラスコ) 平ワッシャー ステンレス サイズM4 335個入 B27-0004" です。

ワッシャーの直径は約1cm程度あり、Flexispotの天板にくっついている脱着式のゴム材に対して面で接することができるようになるので買いました。 ワッシャーがないと、脱着式のゴム材に対してボルトの角が食い込んですぐにゴム材がちぎれてしまいそうだったので急遽買い足しました。(気にしすぎかもしれませんが)

2-6. 練習用の木材に実際に穴を掘り、鬼目ナットを埋め込んでみる

上記の工具を揃えてようやく試験することができます。

穴あけ例の動画です。マーキング後、センター一発で下穴を掘り、その下穴を使ってドリルで6mmの穴を掘ってみた例です。

(穴あけに慣れていなくて回転が止まる前にドリルを止めてしまったことは反省、、、)

(動画を撮るのも慣れていなくて、カッコつけて一眼レフで撮ってみましたが被写界深度が低くてあまりよくない動画ですね、、)

どうせ試験用の木材なので、何回でも穴を空けてみればいいかなと思います!

続けて、鬼目ナットを埋め込んでみています(ここではボンドは使っていませんが)

6mmの穴に対して、鬼目ナットEタイプのM4 × 10はいい感じに入っていきました。

この後、この木片をFlexispotの一部の穴を使って試しに組み付けて、問題なくできる確信を持てたら試験フェーズは終了です。

したがって、ようやく天板の発注を自信を持って行えます!

3. マルトクショップで天板を発注

ここは特にいうことはありません。2-3. で検討した設定で発注します。

4. マルトクショップから届いた天板を加工し、Flexispotに組み付ける

いよいよ最後です。が、Flexispotの説明書通りに組み立てていくと、最後に天板を組み付けたままひっくり返すことになるので、ちょっとアレンジした組み付け方で組み立てていきます。

1:天板がない状態で一回説明書どおりに組み立て、天板を上からそっと載せてみる

Flexispotの商品に問題がないことを確認するため & 設置場所に問題がないことを確認するために、一度組み立てて目的の場所に設置してみることをおすすめします。

このとき、脚間の距離も自分好みに設定すればよいかと思います。

(自分は脚間を165cmにすることで、天板裏のコードカバーをデフォルトで空けられている穴にしっかり固定することができました)

天板なしで仮組立

仮組立 & 仮設置が終わったら、再度ひっくり返して足部分を外し、フレームだけにします。

2:先の工程で脚間を固定したフレームから脱着式のゴムを外し、フレームを天板の裏に載せ、細かな位置を決める

次に、フレームを天板のどこに配置するのか詳細に決めます。

先の工程で脚間を決めたと思いますが、その状態のフレームを天板裏に載せます。このとき、フレームから脱着式のゴムを外し、フレームと天板を密着状態にします。

理由は、ゴムがあると鉛筆でFlexispotの穴から天板に対してマーキングしづらいためです。

Flexispotの穴は6mmちょっとありますが、脱着式のゴムの穴は4mmちょっとしかないので穴を綺麗に書きづらいです。

天板裏に、脱着式のゴムなし状態のフレームを載せ、フレーム単体での位置決め

脱着式のゴムは、↓のような形でフレームについています。

脱着式のゴムがついている状態のフレーム

その脱着式のゴムをマーキング&穴あけのために一時的にとった状態のフレームの写真です。

脱着式のゴムを一時的にとった状態のフレーム

脱着式のゴムは確か全部で12個ついていたかと思いますが、一旦全部外してしまい、その状態でフレームの位置を詳細に確定させます。

3:位置が決まったら、鉛筆でマーキングする

先の工程でフレームの位置が定まったら、鉛筆で12個の穴にマーキングします。

全てマーキングが終われば、約6mmちょっとの円が12個できます。

天板にマーキング(墨付け)した穴(約6mmちょっと)

円を描けたら、一旦フレームはどかします。これ、大事です。フレームがある状態では切削できないので。。

4:フレームをどかしたら、下穴を空けて、ドリルで穴を掘ります

さて、ここからも緊張の瞬間です。

フレームをどかしたら、描けた6mmちょっとの円の中心にセンターポンチとハンマーで小さな凹みをつけていきます。

その後、センター一発を使ってその穴の中心に約2.4mm・深さ約1cmの下穴を掘ります。

センター一発Sサイズで下穴を掘った状態

下穴を掘り終えたら、ドリルストッパーを装着した6mmのドリルで、直径6mm・深さ12mmの穴を掘ります。

直径6mm、深さ12mmの穴

穴を掘れたら、ノギスでちゃんと12mmの深さまで掘れているか確認すると良いでしょう。

5:ボンドを外側につけた鬼目ナットを埋め込む

次に、空いた穴に鬼目ナットを埋め込みますが、ここでは速乾ボンドを鬼目ナットの外側にほんのちょっとだけつけて埋め込んでいきます。

内側にボンドがついてしまうと、ボルトが入りにくくなるため慎重に。

ムラコシ精工EタイプM4 × 10の鬼目ナットと直径6mm・深さ12mmの穴

6:ボンドが乾くまで待つ

少なくともボンドが乾くまで2時間程度は待つとよいかなと思います。

ボンドをつけて鬼目ナットを組み込んだ直後

7:天板がない状態で、もう一度フレームを組み立てて正立させる

さて、3. の工程でフレームをどかしたあと、再度フレームを組み立てて置きたい場所に配置します。

重要なのは、ここではまだ鬼目ナットを組み込んだ天板は組み付けないということです。

脱着式のゴムがついたフレームに脚を組み付け、ひっくり返して置きたい場所に置くだけです。

8:天板を上から載せ、潜り込んでボルトをワッシャーとともに締め付ける

ここでようやく天板を載せます。上から載せるのです。潜って下からボルトを組み付けます。

M4のネジであれば、それほど困難なく組み付けることが可能かと思います。

(M5, M6のネジだと寸分の狂いも許されないかと思います・・・)

裏からボルトをワッシャー付きで組み込んだ後

9:配線し、配線カバーを取り付けます

最後に配線します。

ここまでの工程で、リモコンについては言及してきませんでしたが、一旦は両面テープやガムテープなどを使って仮の位置にリモコンを固定するといいかなと思います

というのも、リモコンは使い勝手の良い、邪魔にならない場所に配置すべきで、机を実際に使い始めてみてから場所を固定しても遅くないと思うからです。

10:完成!

完成です!

Flexispot完成!

3Rの辺の処理が心地よいです・・・

3Rの辺

実は、モニタアームも初めて導入しました。 エルゴトロンのLX シングル(マットブラック)です。 天板の厚みが3cmで、エルゴトロンのクランプは6cmの厚みまでいけるのでなんの問題もなく使えます。

モニタアームも初めて導入しました

5. おわりに

自分が何を思い、どのように検証して天板に穴を空け、Flexispotを組み立てたのか、思いは全て吐き出せたかと思います・・・。

絶対に失敗したくないけどFlexispotを鬼目ナットで作り上げたい、そんな方にこの記事が届いたら嬉しいです。